トラッククレーンは汎用性と機動性が持ち味。そこでついつい先を急ぎがちになりますが、まずは作業開始前の準備や点検が安全の第一歩。四つのポイントをまとめてみました。

ジャッキシリンダ、ブームシリンダの自然降下をチェック。下がっていたら直ちに修理

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シリンダの自然降下は、転倒事故や荷物の急降下を引き起こしかねません。車庫でジャッキアップしておいて翌朝降下していないかチェックすることと、出発前の10分間、ブームを45度の角度で3分の1ほど伸ばしてフックの位置が動いていないか点検してみましょう。前方に移動したら起伏、手前に移動したらブームシリンダの不具合です。

安全装置の作動具合をチェック。異常があれば直ちに修理

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巻過防止(警報)装置、荷重検出装置、警報ホーン、ワイヤー外れ止めなどが正しく機能しているか確認します。特に注意したいのは巻過ぎと過荷重。ブームを伸ばす際、機械によっては同時にフックを降ろさないと巻過ぎてワイヤーを切る恐れがあります。過荷重も転倒事故の最大要因。安全装置の機能を100%活用しましょう。

車両の位置決めは慎重に。地盤の固さと接地圧を考慮する

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ジャッキ1本にかかる最大接地圧は、荷を含めた総重量の7割といわれます。軟弱地盤では軟らかい土を除去して堅固で大きな敷板を当てたり、アウトリガの張り幅より十分な広さの鉄板を敷く等の養生をします。近くに電線がある場合は、最寄りの電力会社へ事前に連絡して防護管を取り付けてもらいます。

作業指揮者、合図者と作業手順を打ち合わせ、一定の合図を決めておく

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クレーン操作は、作業指揮者や合図者の指示にしたがって行なうのが基本。その際、自己流の合図や勝手な解釈は思わぬ危険や事故のもと。必ず事前に合図の共通認識をしておきましょう。

本ページの内容はアイチコーポレーションが発行する情報誌「CABIN」から転載したものです。
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