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04 Interview

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一つの技術領域を
深め続ける研究者の
道ではなく“技術を使い
社会に活かす技術者に
なろう”と志した

商品開発部 | 研究・開発職

入社年2014年 新卒入社

R・H

学生生活を通して機械工学を学び、いつしか技術研究の道よりも”技術を使い社会に活かす技術者になりたい”とアイチコーポレーションに入社。入社後はアイチコーポレーションの歴史ある穴掘建柱車の商品開発に従事し、自らのアイデアで後世に残る技術貢献を目指す。

高専から大学まで機械工学の道を歩み続けた学生時代
その先に”動く機械が好きだ”という自分に気づいた

もともとは漠然と理系の道に進もうという意識があった中で、私は高専から大学まで一貫して機械工学を学んできました。そんな自分の将来を考えたとき、どのような職業につきたいかを自問しながら、いくつかの考えるポイントがありました。その中で、このまま技術研究を続けたいのか、それとも技術を使い活かす立場になりたいのかという考え方は、私にとってとても大切な問いとなりました。そして、私は世の中にある様々な技術を社会に活かしていく技術者になりたいと心に決めました。さらに数ある機械メーカーの中でも、特にヒトやモノを運ぶような動く機械(車両全般)が好きだったこともあり、就職活動をするにあたっては自動車業界・鉄道業界・航空業界への興味を抱いていました。

アイチコーポレーションに興味を持ったのは、偶然パンフレットを見たことがきっかけです。「設計から製造、販売までの全てを自社で完結している」という旨の事業説明の記載があり、一目で面白そうな会社だと感じました。私自身も、大きな組織の中で一つの役割を深め続ける道よりも、技術者の立場から事業を見渡せるような視点を持ち合わせ、ものづくりに従事したいという想いを抱いていました。この会社であれば自分の視点に合致するし、技術者として成長する上でもとても良い環境なのではないかと感じました。

入社後も、当時思い描いたこの考えにギャップを感じることはありませんでした。実際に一つの製品を開発し、市場に出るまで設計者として関わり続けられますし、さらには製品がお客さまのもとへ届けられた後のお客さまの評判まで私の耳に届いてきます。当社での設計者としての役割はかなり幅広いと感じています。やはり自分の思い描いた設計が現実に形となり、世に出ていくところが当社の設計者としての最大の醍醐味ではないでしょうか。

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お客さまの声に深く耳を傾け
社員一丸となって課題解決に取り組む“アイチの強み”

現在、私は当社の穴掘建柱車(あなほりけんちゅうしゃ)の設計業務を担当しています。穴掘建柱車は、電柱を建てるために”地面を掘削するドリル(アースオーガー)”と、掘削した穴に”電柱を差込むクレーン”の2つの機能を備えたまさに“電柱を建てるために設計された”特殊作業車です。

穴掘建柱車は”掘削する”という機能を備えていますが、機械そのものを動かすための設計的な領域とは別に地面や地質に対しての知識や理解も必要です。さらにアイチは創業以来、長きに渡って穴掘建柱車を開発してきた歴史があり、現在の製品には先人の技術者が蓄積してきたノウハウが詰まっています。例えば、全国の地質によって合うオーガーの形状は異なり、それを熟知していることも当社独自のユニークな技術力の一つではないでしょうか。実際に「(国内の)この地域では、この形状のオーガーは見たことないな」などオーガーを見れば大まかに地域性を掴んでしまうような技術者同士の会話もあり、オーガーの形状とその土地土地の地質が深く紐づいているのは面白い点ですね。

また、穴掘建柱車はオーガー以外にも数多くのパーツ(オプション)が存在します。それらの組合せは何万通りとなり、そのため、どのようなオーダーであっても完全受注生産です。一口に電柱を建てると言っても、その作業環境は様々です。当社の穴掘建柱車は、1台1台がお客さまの作業環境に最適化された仕様になっており、そのため私たち設計者だけでなく、実際にお客さまと仕様検討を行う営業社員にも高い専門性が求められますね。

当社は、技術の先にあるお客さまの作業環境の向上をつねに見据えており、その点で社員の目線は一致しています。創業時から、お客の声をしっかりと聞き、課題を解決するものづくりをしようという文化があり、今でも変わらず”お客さまの声に耳を傾ける”ことが大切な業務の一つとされています。私も日頃から、営業職の社員との会話の中だけでなく、設計者として、直接、お客さまの声をお聞きする機会も少なくありません。お客さまの生の声を、スピーディ且つダイレクトに開発現場に活かせることは設計者としてのやりがいの一つに繋がっています。

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設計は“絵心”がないと務まらない

私が初めてメインで設計を任せていただいたときのこと。私が作成した設計図を見て、製造部門の方から「これじゃボルトが刺せないよ」と指摘されたことがありました。今から考えると単純にボルトの向きを逆にした図を書き直せば完結するだけのエピソードなのですが、当時の駆け出しの設計者である私にとっては「なるほど、設計図を書くときには完成イメージだけではなく、それを組み立てる作業工程までをイメージできないと真の設計者になれない」と気づきを得られた瞬間でした。もし仮に、私が少しでも適当に設計をしてしまえば車両は完成しない。例えば、ネジ一つにしても、ネジ穴の大きさからネジの長さまで。そのネジを長く設計することにどういう意味があり、逆に短くすることにどういう意味があるのか。そもそも何を担うためのネジなのか、どのようなパーツであっても設計の細部まで意識するようになりました。そうして一つひとつの仕事の意味を考えることの大切さを学びましたね。

一方で、入社して間もない頃に上司から伝えられた忘れられない言葉があります。「設計は絵心がないと務まらない」。この言葉は、“設計という仕事”が最終的には精緻な図面へと落とし込まれていくものの、やはりそれ以前の曖昧糢糊とした構想段階では、頭にイメージした自分のアイデアを絵として他者に伝える力が必要であること。そして、そうやって自分のアイデアを深めることの大切さを思い返させてくれます。

どんなにソフトウェアが進化した環境でも、私たちが最初にアイデアを形にするのは絵です。だからこそ「設計は絵心がないと務まらない」という言葉は今でも大切にしていますし、この言葉の裏側には“設計者として自分の想いをしっかり持つこと”の大切さを教えてくれます。

穴掘建柱車は一朝一夕に開発されたものではなく、当社の長い歴史の中で、先人の多くの技術者の方々の試行錯誤が積み重なり、知恵が結集された魅力ある作業車だと思っています。中には、私が生まれるよりもはるか昔に作られた設計図から、未だに部品が作られることもあります。だからこそ私自身も当社の設計者の一人として、このユニークな穴掘建柱車の製品群を後世に残していきたいと感じています。そして、いつか私自身も当社の穴掘建柱車の歴史に残るアイデアを生み出し、後世にその足跡を残すことができれば嬉しいですね。

私のとある1日

09:00 出社しメールをチェック
その日の業務の確認
10:00 技術計算や部品の形状の検討
現車確認もできれば午前中に済ませる
12:00 お昼休憩
13:00 関係会社、工場などの他部門からの
問合せに対応。
14:00 図面の作成・検図を行い上司へ提出
16:00 上司やチーム内で打合せ
17:30 退社
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